サッシについて

2011/10/11

窓と言えばアルミのサッシと一枚のガラスを組み合わせたものでしたが、窓やドアといった開口部は熱がたいへん逃げやすく、それは住宅全体の約3割と占めるとも言われています。

冷暖房の効率が悪くなるばかりでなく、結露しやすいので木材の腐食やカビが発生しやすく、住宅の寿命にも関わってきます。現在では窓やサッシの開発もすすみ、最近の住宅には、窓に「断熱サッシ」が使われることが多くなってきました。

「断熱サッシ」とは、サッシの断熱性を高めるために、サッシの外側はアルミでも、室内側に断熱性の高い樹脂や木製を使用したものや、アルミ製でも内側と外側の間に絶縁部材を入れて断熱するものがあります。同じような構造を用いて、玄関用の断熱ドアもあります。また、ほとんどの「断熱サッシ」には、「複層ガラス」が使われています。「複層ガラス」とは、2枚のガラスの間に密閉された空気の層を設け、断熱性を高めたガラスのことです。

ガラスの間の空気は、アルゴンガスを入れたものや真空にしたものもあります。最近は、「複層ガラス」の内側に特殊な金属膜をコーティングして放射率を低くした「エコガラス」と呼ばれるものもあります。値段は多少高めですが、断熱性だけではなく遮熱性もあるので、住宅の事情に合わせて検討するといいでしょう。住宅をリフォームする場合は、断熱効果を上げるため「二重サッシ」にする場合もあるでしょう。サッシ(窓)の外部に、さらにサッシ(窓)を設置するものです。窓と窓の間に空気の層をつくり、空気の出入りをすくなくする事で、サッシの気密性を高めるのです。窓を二重にすることで防犯性も高まります。

これらの「断熱ガラス」や「複層ガラス」、「二重サッシ」は防音性もあるので、道路や公園に面している部屋に取り付ければ、外の音を気にならない程度に抑えてくれますし、、またピアノやオーディオを楽しむ部屋に取り付ければ、家の音が外に漏れることも少なくなります。欧米では、「複層ガラス」や「断熱ガラス」は義務化されていますが、日本ではまだそこまで制度化されていません。しかし、最近では新築住宅においては、「断熱サッシ」など気密性の高いサッシが標準で装備されていることも多くなりました。ガラスの厚みやサッシの素材などで、断熱性能に違いが出てきますので、値段と予算と合わせて検討をしましょう。

窓の位置と形!とても大切です。

2011/10/07

 マイホームのデザインを考える上で、ポイントとなるのが「窓」です。「窓」の形や大きさ、位置はその家の印象に大きな影響を与えます。また、「窓」には「換気」としての重要な役割もあります。換気の行き届いた家は、適度な乾燥が保たれ、家が長持ちするからです。「窓」をどこに付けるか考えるとき、風の通り道を意識しましょう。

 風の入り口となる「窓」をつけたら、風の出口となる「窓」もつけないと、風は入ってきません。大きな「窓」を設けても、その「窓」しかなければ風が通り抜けられず、十分な換気は行われないのです。「窓」の数や大きさはイニシャルコストにも関わり、壁の強度にも影響するので、数を少なくしたり、小さくしたりしてしまうかもしれません。そもそも、「窓」が重要だと意識している人も少ないかもしれません。

 「寝室や書斎は窓が一つあれば充分」「クローゼットに窓は必要ない」ということもあるでしょう。しかし一カ所のみの「窓」からは、風が入ってきません。風が入ってこないということは、湿気もたまりやすくなってしまいます。できれば部屋の2方向に「窓」があれば、風が入りやすくなるでしょう。2方向に「窓」をつけることが無理な場合は、部屋のドアにスリットをつけるなど、空気が抜けるようにするといいのではないでしょうか。

 クローゼットも小さな窓がひとつあるだけで、風を通すことができます。洋服が多いと湿気は禁物です。洗面所やお風呂にも、「窓」があったほうが湿気対策になります。お風呂など締め切った部屋で換気扇を回してもあまり効率のいい換気はできません。24時間つけっぱなしというわけにはいかないでしょうし、晴れている日は窓を開けたほうが効率的に換気ができますね。

 水回りはカビなども発生しやすいので、早い乾燥が有効です。窓の設置はイニシャルコスト(工事費)に大きく影響しますし、完成後の変更はできないので、しっかりと設計、確認をしましょう。その土地の風の通り道を調べて、夏の風や春の風など季節の風を感じながら、家も大切にする・・・そんな素敵な生活ができるといいと思います。

家の換気は重要です

2011/09/25

マイホームが木造建築の場合、建物の換気は非常に大切になってきます。現在の住宅工法は、ほとんどが高気密高断熱を売りにしています。空気や温度が外に逃げにくいということは、湿気も家の中にたまりやすいということになります。

たとえば「床下」は地面から発生する水蒸気で湿気がたまりやすく、カビや腐朽菌の発生につながります。シロアリも高湿度を好むので、「床下換気口」を設置して空気の流れをつくることが大切です。

また「小屋裏(屋根裏)」は真夏には室温が60度になることもあります。あまり高温ですと木材は必要以上に乾燥してしまい、耐久性にもよくありません。「小屋裏換気」をすることで、温度の上昇も緩和され木材の耐久性にもつながります。

高湿度は木材を腐食させる原因にもなってしまうので、適切な換気をおこない乾燥した状態にすることが、マイホームを長持ちさせることにつながるのです。

また、住宅建築に使われる建材や内装材から放出される科学物質が原因で罹患してしまう「シックハウス症候群」の問題がありました。そのため、建築基準法が改訂され、2003年に住宅の「24時間換気」が義務づけられています。いわゆる自然換気とちがい、強制的にまたは自動的に、室内の空気の入れ換えを可能とする換気設備の設置が一般住宅にもされるようになりました。

これにより「シックハウス症候群」の原因となる「ホルムアルデヒド」の室内濃度は低く抑えられるようになりましたが、「設置コストなどかかる」「常時稼働させるので電気代などのランニングコストがかかる」「また冷暖房の効果が薄れてしまう」・・・などのデメリットが言われています。

 家の大きさなどで、換気能力の必要性が違いが出てくるが、従来ある浴室やキッチンの換気機能に付加するなど、工夫できるところもあるので、設計段階でよく確認をしておきましょう。この「24時間換気」も、昔ながらの、すきま風が入ってくるような純和風建築には義務づけられないそうです。天気のいい日に窓を開けて、新鮮な空気を入れるのは、化学物質や湿気を逃がすためでなく、気分を爽やかにし、リフレッシュさせてくれますね。季節の風を取り入れることも、忘れないようにしたいものです。