シックハウスシンドローム(症候群)

2011/11/13

 やっと完成した憧れのマイホーム。引越しをして生活し始めたら、なんとなく体調がすぐれない・・・屋内にいるときにめまいや頭痛、吐き気がひどくなる・・・などの症状が現れたら、もしかしたらそれは「シックハウス症候群」かもしれません。

 「シックハウス症候群」とは、住宅建築で使われた建材や内装材に含まれている薬剤や塗装などの化学物質が熱などにより気化し、それを吸い込み続けることによって発症する病気のことです。個人差が大きく、症状だけを見れば他の病気と診断されることも多いので、「調子が悪い」と片づけてしまいがちです。しかし「シックハウス症候群」は化学物質の体内許容量を超えると発症する病気なので、これといった治療薬はなく、室内の化学物質を排除する環境改善
と体内の化学物質を排出する体質改善が、主な治療法になります。

 治療のために引越しをしたり建材や内装を入れ替えるなどの大規模なリフォームをすることは、多額の費用がかかってしまいます。ですから「シックハウス症候群」にならないためにも、マイホームを計画する段階での予防策が大切になってくるのです。建材には防腐剤や防虫剤が、合板には接着剤が使われています。化学物質をなるべく使わないためには、腐りにくくシロアリが好まないヒノキやヒバなどの木材を使用したり、基礎の段階で防湿・防蟻シートをひく、また合板ではなく無垢材を使用するのも効果的です。

 壁紙は通常、塩化ビニール製でホルムアルデヒドが入った接着剤を使用します。なるべく自然素材の壁紙を選んだり、板や漆喰の壁にするのもいいでしょう。塗料にも化学物質や化学薬品が使われています。天然植物油や天然ワックスなどを主成分とした塗料もありますので、検討するといいでしょう。また最近の住宅は気密性が高いので、気化した薬剤や化学物質が室内にこもりやすく、「シックハウス症候群」を発症させやすい要因にもなっています。

 換気システムを設置して、常にきれいな空気を入れるのも重要です。「シックハウス症候群」は誰でもかかる可能性があります。マイホームを建てるときは、安心安全な素材・材料を選んで、健康になれる家づくりを目指しましょう。

みんなのためのマイホーム

2011/10/24

 どんな方でも、住んでいる「家」があります。それこそ赤ちゃんからお年寄り、身体に障碍がある方も「家」に住んでいます。すべての人が安全に、安心して、心地よく暮らすために「家」があるのです。誰もが暮らしやすい家をつくるために「ユニバーサルデザイン」を取り入れたいと考える方は多いのではないでしょうか。

 「ユニバーサルデザイン」とは住宅建築に限らず、家電製品や情報機器、食器や文房具などの生活用品にいたるおよそすべての物のデザインや製造に影響するコンセプトのひとつで、障碍者を対象に障害(バリア)をなくすという「バリアフリー」の考えよりもより広い概念になります。「ユニバーサルデザイン」を提唱したロナルド・メイス氏が7原則を挙げています。ご紹介しましょう

1.どんな人でも公平に使えること。

2.使う上で自由度の高いこと。

3.使い方が簡単で、すぐにわかること。

4.必要な情報がすぐにわかること。

5.うっかりミスが危険につながらないこと。

6.身体への負担がかかりづらいこと(弱い力でも使えること)。

7.接近や利用するための十分な大きさと空間を確保すること。

 (Wikipedia参照)住宅建築においては、安全に配慮したドア、車いすでも開けやすい引き戸の使用、トイレや浴室、階段の手すり、家のなかの段差を減らす、子どもも使いやすいスイッチの位置・・・などがあります。
 また、やけどや火事の心配が少ないIH調理器や、高さが選べるシステムキッチン、ドアの取っ手やスイッチなどもより弱い力で使えるように大きめにデザインされたりと、最近のマイホームでは、いたるところに「ユニバーサルデザイン」の考えが活かされています。子どもや孫が生まれたり、自分ももちろん年をとっていきますし、病気やケガで車いすを使用することになるかもしれません。

 家族構成や経年の変化は当然あることですので、マイホームの設計段階から、「ユニバーサルデザイン」を取り入れた住宅づくりは必要です。誰にでも使いやすく暮らしやすい住宅は、私たちにとっても使いやすく暮らしやすいということですから。

家の防犯対策について

2011/10/23

 空き巣には、入られやすい家と入りにくい家があるそうです。道路に面している、人目につきにくい、など土地や回りの住宅環境によるものもありますが、住宅を建てる段階から空き巣対策をして、被害を未然に防げれば、それに越したことはありませんね。空き巣の手口は、窓からの侵入がおよそ6割にのぼることがわかっています。

 クレセントと呼ばれる窓カギの周辺のガラスをドライバーなどで割って、割れたガラス穴から手を入れてカギを外し、窓を開けて侵入します。プロの空き巣になるとこの間約10秒ほどでカギを開けてしまうといいますが、ガラスが割れにくかったり、カギが開けにくかったりと、侵入するまでに時間がかかると、あきらめる空き巣が多いそうです。

 ですから、窓の防犯対策をきちんとしておけば、空き巣の被害をかなり防ぐことができるのです。窓の防犯には「防犯ガラス」があります。「防犯ガラス」とは、合わせガラスになっている2枚のガラスの間に特殊な膜が挟まれていて、割れにくい構造になっている窓ガラスです。ガラスが割れても特殊膜がなかなか破れないので、穴がなかなか開かず、時間がかかってしまうのです。

 最近では、「複層ガラス」に特殊な防犯フィルムを貼ってある商品もありますし、「防犯フィルム」に紫外線を遮る性能があるものもあります。こういったサッシを利用すれば、防犯性に加え、断熱性や遮音性にも優れた住宅づくりが可能になりますね。防犯のためには、すべての窓やカギを閉めきって出かけることが最良の防犯のひとつですが、通気や換気のために、特に浴室などの窓を開けておきたい場合もあると思います。その場合は「面格子」が有効ですが、単にビスなどで設置してあるだけですと、簡単に取り外されてしまいます。

 窓のサッシと一体型になっている格子や、ビスで取り付ける場合でも、「できるだけ長いネジを使いしっかりと固定する」「ネジの頭をつぶして接着剤などで固定する」などの対策を行い、簡単にはずせないようにしておきましょう。取り外しに時間がかかれば、空き巣はあきらめるからです。サッシや面格子など、後からの設置は工賃も余計にかかってしまいます。1階の窓は「防犯ガラス」にする、浴室や洗面所には格子をつける、など設計の段階で、検討をしましょう。